110518
世界初と聞く度に心を動かし
裏側から表側へと握り拳を突き出して
へらへらと薄い皮一枚で辛うじて形を保つ薄っぺらな奴等を追っ払うが
それがどうしたと言いたそうに竹の皮は湿り気を失わずに滑らかな舌触りで新たな味覚をも創作し
幾重にも重なる価格破壊をものともせずにその色合いを濃くして
内部の味覚と渇きを最適に調節して昼休みを価値あるものとした
何枚もの紙幣を束ねて入手した掘り出し物を
包装紙で丁寧に梱包する時の骨董店の主は
竹の皮一枚の矜持を保有する権力を意識しながらも
はす向かいの
ヤドカリ不動産の破綻を目の当たりにし
根抵当権の周到な悪あがきを恐れ
バッターボックスに立ちながら
フォアボールを期待するなんて
君は少しはコミックブックを読んだことがあるのかねと
昼休みの課長は今日も少し辛辣で
首の皮が突っ張ってゆくのを意識する
支店には弁当持参するものは他にいないのだから
仲間意識を持って
もう少し大事にして欲しいと言いたくなるのを
じっと我慢する
「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作。
タイトルは、ミチヨさん。