mizunomadoka


ただ一度だけ生まれて
背伸びして開けるこの世界の窓に
あなたが見えた

わたしがまだわたしだけであった頃
それは始まりで、終着で、永遠だった

知ったのはずっと後になってからだけど
あなたはわたしのことを知らず
気付きもせず、ただどこかではしゃいでた

光がなければこの宇宙は闇
でもほら、暗いところで目を閉じても
わたしの中には何かがある

人が死んでも、身体がなくても
触れられるもの
息で書いた伝言


あなたを愛してた
通りすぎてからもずっと
もう会えなくても

永遠に思えた時間が無に帰るときも
私たちはゼロになることなく

愛とぬくもりと孤独の眠りの中で
もう一度だけ
夢をみるのだと思う

だからわたしはあなたに
次に会ったときのために
がんばる

背伸びしたまま
世界をそのままに






自由詩Copyright mizunomadoka 2011-05-18 17:35:59
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