初恋
小川 葉
「子供の頃」
ねるまえに
おかしが
たべたくなるのは
まだ
こどもだから
おなかがすいて
しかたがないのだ
こどものむしや
おはななども
やっぱりそうなのだろうか
まどのそとにかがやく
おほしさまも
こどものころは
+
「想像力」
このほしのいんりょくから
ときはなたれて
よぞらにほしぼしは
かがやいている
と、おもうのは
このほしにすむものの
わがままであり
そうぞうりょくであり
+
「引力」
いつのまに
こんなにきょりが
でいてしまったんだろう
はじめから
うまれたときから
はなればなれだったのに
おやもきょうだいも
はじめから
そのきょりを
ちぢめたりとおざけたり
しながら
ひとはひとに
よりそうことでしか
いきていけない
+
「がまがえる」
ふと
さみしくなるのだ
よぞらのほしを
みあげると
あれがわたしの
ともだちなのか
あめがふると
がまがえるがなく
それくらいに
とおいこえとして
+
「初恋」
はつこいは
はつこいのまま
おわってしまった
おたがいの
よわさをみつけられずに
つよさばかり
みせつけあって
わざわざ
おかのうえで
まちあわせた
そこからみえるけしきに
みをなげることも
できずに