初恋
小川 葉

 
 
「子供の頃」
 
ねるまえに
おかしが
たべたくなるのは

まだ
こどもだから

おなかがすいて
しかたがないのだ

こどものむしや
おはななども
やっぱりそうなのだろうか

まどのそとにかがやく
おほしさまも
こどものころは
 
 

 
 
「想像力」
 
このほしのいんりょくから
ときはなたれて

よぞらにほしぼしは
かがやいている

と、おもうのは
このほしにすむものの

わがままであり
そうぞうりょくであり
 
 

 
 
「引力」
 
いつのまに
こんなにきょりが
でいてしまったんだろう

はじめから
うまれたときから
はなればなれだったのに

おやもきょうだいも
はじめから

そのきょりを
ちぢめたりとおざけたり
しながら

ひとはひとに
よりそうことでしか
いきていけない
 
 

 
 
「がまがえる」

ふと
さみしくなるのだ

よぞらのほしを
みあげると

あれがわたしの
ともだちなのか

あめがふると
がまがえるがなく

それくらいに
とおいこえとして
 
 

 
 
「初恋」
 
はつこいは
はつこいのまま
おわってしまった

おたがいの
よわさをみつけられずに
つよさばかり
みせつけあって

わざわざ
おかのうえで
まちあわせた

そこからみえるけしきに
みをなげることも
できずに
 
 


自由詩 初恋 Copyright 小川 葉 2011-05-16 23:33:38
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