切断面
アキヨシ
したためる
水の入ったドラム缶の底に
肩まで浸かる
腕
太陽
ふりあげて
空から土に弧をえがく
やけどをしている
ものたちが
列を為している
稚児が分け入り
払われ
母の代わりに
稚児が叫ぶ
水の入った奥のそこに
したためる
腕をいれるもの
足をいれるもの
耳をいれるもの
目をいれるもの
髪をいれるもの
列に
陽の下で裸の背中を
じりじり灼かれながら
人の背中はすでに痛みを忘却し
時が軋むにまかせつつ
列は横蛇している
ひとつひとつ
ぽっくんぽっくんと呑まれていく
みな体を一部欠け
みな体を一部いれている
「直径八十センチ」
右足をつまらせた男が言った
折りたたんでいれた
「半径四十センチ」
人は横になり
目を瞑る
なくなっているところに
丸い水面の揺らぎと
水音と
沈む速度を
接ぎあてて
そこへゆく
夢を見る