森口さん
アラガイs

どうやらあなたの思惑どおりだよ
森口さん
俺は失敗してしまったようだ
いつもみつめていたのはこうなる事を予想していたのか
それとも こうなれと
思っていたのか
とにかく ふと、顔を上げる度にあんたの視線が気になって仕方なかった 。
笑うときの憎しみに満ちた皴
辛いときの平然とした白々しさ
一度酷く罵り泣かせたことがあった。
あんたはそれをけっして忘れはしなかった。
なぜ俺ばかりをみつめていたのか、俺はいつもあんたを殴ってやりたかった 。
斜めから抉る視線を止めてやりたかった 。
いまあんたは家族に囲まれて幸せに暮らしている 。
俺は ひとりで幸せに喘いでいる 。
勝ち誇った薄気味笑い笑窪が目に浮かぶようだ 。
森口さん
悪魔だったんだな
あんたは俺にとって
やさしく声をかけると、いつでも仕返しをしてやろうと企んでいたんだ。
あんたには理解できない俺が許せなかったんだ。
いまようやく理由がわかった気がする。
俺はいまも悪魔から離れられずにいる。
森口さん
どうやら負けたようだあんたに(俺は 。









※ 森口さん (仮名 )


自由詩 森口さん Copyright アラガイs 2011-05-12 02:53:26
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