夜に流れる
kauzak

世界の果てを目指す
無意味の行進
のような言葉
こぼれる音
シンクロして流れ込む
うねり
闇の中
空っぽの風が
吹き渡って行く
光もないのに浮かび上がる
その姿を
感知するのは何か
知らなくても
困ることはないのに
知りたがる
それが致命傷だとは
露ほども感じず
目の前を流れ行く
川の流れを眺めている
暗い背景の中
川面を渡る風が
冷たくて身震いする
音はなおも忍び込む
踵を返す頃合いだと悟りながらも
流れ行く川の音が
耳から離れなくて
目をつぶる

転回して
水銀灯の下
滲む月を見上げている
永遠と思えるほど
ループする正弦波のようなフレーズが
不意に途絶え
また歌が始まるから
驚いてイヤホンを外して
あたりを見回す


自由詩 夜に流れる Copyright kauzak 2011-05-10 23:56:00
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