君の記憶
月山一天


月がとても重たかった時、

君はそれがボーリングボールみたいに

どすんと落ちてしまわないか心配した。


月が痩せ細ってしまった時、

君はそれが空腹で

死んでしまわないだろうかと心配した。


君が僕の名を初めて学んだ時、
それを自分の名のように受け入れてくれたね。


そう、君が僕の名を呼ぶ度に、
僕は新しい言葉を発見したんだ。


君は言った。
そらに幾つ星があるのか知っていると。


君は言った。
月の裏側に何があるのか知っていると。


そう

君はいつも、

目を閉じた方がよく見えたんだね。





自由詩 君の記憶 Copyright 月山一天 2004-11-09 17:39:27
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