カラカラ
茅野ゆき

この手に掴める愛がただ一つだと
誰が決めたのだろう

孤独に泣く夜が嫌いで
一時の安らぎだけ求めて

誓いとか
信頼とか
思いやりとか
一途な気持ちとか
何一つない、からっぽな心

硝子の瞳は何も映さず
無表情に微笑んでキスを求める

愛されて
愛されて
愛されて

それでも

満たされない
埋まらない
からっぽで

痛みすら、忘れた



寂しいやつ、と、貴方が言った

そうよ
私は寂しい女
甘え方を間違えて
シーツの上で淫らに踊る

けれどそんな女に狂う
貴方も所詮愚かな男



全て終わって
朝が来て
いつものようにグラスの水を飲み干した



喉は、渇いたまま


自由詩 カラカラ Copyright 茅野ゆき 2011-05-08 01:16:53
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