つつみ
草野春心



  うつむけば、
  いびつな砂利道。
  ぼくは陽を背負う
  ぼくは染みてゆく影



  見あげれば、
  ゆらめく電線。
  ぼくは見つめる
  ぼくは透明なひとみ



  感じる。
  陸、
  海、
  空に
  まるごと許され
  縛りつけられ、
  つつまれている。



  ふりむけば、
  やさしい空白。
  ぼくは君を思う
  ぼくはあの日降った雨



  ここにいれば、
  ぼくはすべて。
  つつまれたまま
  歩き出すならば



  歩き出すならば。





自由詩 つつみ Copyright 草野春心 2011-04-24 21:00:33
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