汚れてしまった
寒雪


汚れてしまったこころの生地
刺々しく右から左から
吹き付けあざ笑う風の行列に
隠しておいたはずのこころは
小さく大きく傷をつけられ
気がついたら
涙が滲んでしまうほど
表面がすっかりぼやけてしまった


汚れてしまった今の気持ち
振り回されないよう
両手で抱え込んでいても
土砂降りな悪意の雨から
逃れられずにずぶ濡れに
気がついたら
表面を不躾に雨粒に侵食されて
気持ちがすっかり凍えてしまった


汚れてしまった自分の涙
シャワーを浴びても
体から汚れは落ちてくれない
きれいだった自分を思い出して
無理矢理に無様なステップを踏んで
やけに目に沁みる街灯の
けばけばしい灯りの中
帰る場所を探して
ただひたすら進む


それだけが自分が今出来ること


自由詩 汚れてしまった Copyright 寒雪 2011-04-12 10:52:32
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