魔を除ける赤。
菊池ナントカ


手首をゆっくり差し切ってゆく。
血のなかに母国を思う。

わたし、わたし、
しくじったのだわ。
おかあさま?おかあさま!

失点、回点、肌色。
風の行方が目に見えた。
したたり落ちる血に夢を見た。
嗚呼、私は日本人だったのだ。

赤い鳥居に神社にお祭り。
行方不明じゃ行く事も叶うまいな。
生きていくから貴女が愛しい。
半端者にも感情あろうが。
生きていくから貴女が愛しい。



自由詩 魔を除ける赤。 Copyright 菊池ナントカ 2011-04-04 03:35:55
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