時間
大西 チハル



君に伝えたいことを
ぼんやりと思い出していたら

冷たいペットボトルが
置きっぱなしのまま汗を噴いて
机の上
書きかけの手紙が
濡れてしまった

こんなことで
泣いてもいいのは昨日だけ

私の内を流れる時間と
私の外を流れる時間の速度が違うこと

に気がついても
まだ

私はここにこうして
濡れた手紙を
空で乾かし

スロウな時間の中を
心地よく


泳ぐ






自由詩 時間 Copyright 大西 チハル 2004-11-05 10:57:29
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