明日のない部屋
月乃助

瓦礫のやまにゆきが積もる
毛布をまとった老婦
明かりをとざされた夜の 白い息
あなたは、そのすべてを可哀そうだという
ここには明かりも暖もある
温かな食事も好きなだけ使える水も

重湯を一日にふたくち
500ccの生理食塩水でいきる
ビルの景色の部屋に
ただ横たわりながら

ここは安全だと
天国だと
ありがとうと言う

わたしは、明日がこなければと願い
残された日がけずられないように
なくなることを恐れながら
おはようという朝をむかえる

あそこにも
壊された町にも
またひとつ 朝がやってくる

大丈夫
北の国の人
あなたがたには、苦しみほどの未来がある
終わりのない
明日があるのですから






自由詩 明日のない部屋 Copyright 月乃助 2011-03-22 19:10:43
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