シップス
番田 

私が見ていたものは本当に夢だったのだろうか
人は面影だけをそこに残して 去っていく
私はひとりで 遠くを見ていた気がする
そして 両手を合わせているだけなのだ
丘の向こうから 強い光が差してきた


何も考えることなく
知らない世界へと 私は旅立ちたい
そして 私は通り過ぎていく船を見た
それは 一体 いつのことだったのだろう
煙を上げながら 離れるようにして過ぎていく
船は 色の一つもない
向かう場所すらなくしてしまった
とても長い 旅路の果てで
今日も 私は ぼんやりと 眠る


きっと 誰も 何も語りはしないのだろう
遠くに見えたものは 一体何だったのか
きっと 私は そこで 夢を見ていた気がする
荒れ狂う 強い風に とまどいながら




自由詩 シップス Copyright 番田  2011-03-22 01:16:43
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