とりもどすんだ僕たちは
ジム・プリマス

残酷なニュースを見た

僕は中国の大地に頼りなく立っていた

テレビの画面に張り付いたままだった視線

津波の濁流は圧倒的だった

僕の頭に浮かんだのは

これからどうするのか

そのことだった

破壊され融解した炉心

漏れ出した放射能

そんなものは造り物だと分かっていた安全神話

見事に壊れてしまったことに

そんな頼りないもにすがって

踏ん反り返っていた連中のことは

時間に委ねればそれでいい

これからどうするのか

みんなで考える時がきたんだ

節電を呼び掛ける声

たしかに東京の夜は明るすぎたんだ

いま市民の手に行政をとりもどすんだ

地震の原因が日本人の我欲のせいだなんて言う

馬鹿者が都知事に立つような

これまでの世界を変えなきゃいけない

とりもどすんだ僕たちは

新しい世界を



自由詩 とりもどすんだ僕たちは Copyright ジム・プリマス 2011-03-21 20:52:38
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