フライパン
Seia



今朝 起きて
時間を確認しようと枕元を見る

そこには一つ前の携帯が
充電器に刺さっていた
いくら探しても
今の携帯が見つからない

そういえばこの前買ったごみ箱も
起きてからでいいやと
散らかしていたゴミも 無い


なんだか怖くて テレビを付けると
いつものアナウンサーが
今日の天気を伝えていた

少しホッとして
一つ前の携帯を手に
日付に目がいった



一年前だ



何故気が付かなったのだろう
昨日 熱いフライパンに触れた
手の甲の火傷痕すら 消えている

今日は 一年前の朝なんだ

今日は 傷痕の無い朝なんだ


私はこれから一年間
フライパンに近付けないかもしれない


自由詩 フライパン Copyright Seia 2011-03-21 17:05:39
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