思い出
半分

思い出は、捕まえようとすると逃げてしまう、引いていく波のよう
思い出は、知らないうちにすぐそばに来ている、押し寄せる波のよう

誰のものか分からない
いくつもの砂浜に残された足跡
私と海と砂浜を風が撫ぜるから
ぜんぶ風の足跡ということにしておく

今も遠くで吹いている、一度きりの風が
細波を立てる


自由詩 思い出 Copyright 半分 2004-11-05 00:05:05
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