メトロ
番田 


私はどこへ行けば良かったのだろう
芸術とは 一体 何なのだろう
今日もひとりで街をさまよっていた
何も 私は わからなかった だけど
いつもまがいものを掴まされていた
私は 食べるべきものなど 無くした
旅立とうとした 私は 遠い場所も 忘れて
だけど 何とか一人で生きているみたいだった
傍らで いつも 恋人の髪はなびいていた
何も議論する気になどならなかった
私は 流れる 風の中で
私は そこで
いつも 一人であることを認識していた


全てを 私は 忘れてしまった
時の中で見たものは何だったのだろう


微かな 夢の匂いを感じさせられた やがて 
被災地の匂いも 運ばれてきた


木の葉は床に転がっていたものだ
この長い 時の流れの中で
この 長い ホームの隅っこで
私は何をすれば良かったのだろう



自由詩 メトロ Copyright 番田  2011-03-17 01:53:46
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