醒めないまよいご
みつき

しんのぞに絡まる
だれのものか
わからない
たぷら たぷら
流れる ち
あかいあおい わからない

記憶とキオク せめぎあう
幼き頃 破った絵本 ナゲキバト 取り落としたたまご 腐ったご飯
ぜつぼうのありか 微えみ おばさんの言葉 カラスと豆鉄砲
ひしめく あたまの中
どろどろどろ流れる
たくさんの涙
ゆらぐ


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眠りの中
あたまが落ちる
くらやみの中
あたまが落ちる
そらの中かうみの中
いちばん星だらけの
ばかばかしい見物


(腐乱したたまご鳥落とす
 おい におわずにすませてやれ
 天獅 ひとうなり うなって 微笑
 ア熊 狙い さだめ打つ
 鳥逃げ逃げ 風切るたまご
 鳥逃げ逃げ 天獅が 駆ける
 ア熊 ほう、ほう、あいづちを打つ
 ほうほう おはよう さよなら いいおてんきだ
 そういって、はなたれた、

 銃弾、駆ける
 駆けて、あたった

 ほう、ほう、これは これはくさい
 天獅は うなる、
 うなって、微笑
 ア熊、にちゃにちゃ、鳥 ほふる

 たまごは われて、落ちて、落ちて、落ちて、


 足掻く 重い
 はぜる気泡 光
 はぜる はぜる はぜる
 ぱちん
 しんのぞ、われる 音がした


 そらの向こうもしくはうみの底なんかでは
 真実なんて嘘まみれだぜ
 じゃあここはどこ

 せかいのすきま、濃い光 ほし ほし ほし むさぼる
 足が浸かる
 ここは、これは、ぼくのうみだ

 「わたしのうみよ」
  じゃここは、
  どこ )


めざめよ、いまは
眠って ゆめの底
めざめよ、めざめよ、
回転木馬に、僕とボク
めざめぬ ゆめの
底でゆらぐ

醒めない眠りの ゆめの中
迷子にならぬよ 風をみつめよ
あさつゆ きらめく 熱もつほお
ぐちゃぐちゃにならぬよ、わすれぬよ
やわらかさ あたたかさ
小指の 細胞内に閉じ込めて
そうしたら
醒めなくて良い




自由詩 醒めないまよいご Copyright みつき 2011-03-16 10:34:55
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