白い糸 / 蜘蛛の糸幻想
beebee











糸のような雨は天国から地上に降ろされた蜘蛛の糸
かもしれない。白く刷毛ですりおろしたような雨た
ちは地面を捉えようとするのか、地の底の底の奥の
奥の暗闇へと降りていく。その根毛のように拡がる
夢の糸は静かに眠るぼくたちの意識の中で繋がって
いる。意識の底の底の奥の奥の心の暗闇の中で繋が
っている。静かに眠るぼくたちの意識はその糸にし
がみつき、次第に拡散し天上に浸透していくのだ。
地上を覆い天上をかすめる想いは全てを包んで繭玉
となる。見よ地球を覆い宇宙を覆う脈打つ意思を!
それは再び白い糸となって地上へ降りて行くのだ。
縦横無尽に繋がり合う白い糸たち。わたしはそこに
                      下
                      が
                      る
                      ひ
                      と
                      つ
                      の
                      涙
                       、
                      果
                      実
                      な
                      の
                      だ
                       。



「心の雫」の続編です。
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=161280


 


自由詩 白い糸 / 蜘蛛の糸幻想 Copyright beebee 2011-03-10 00:54:48
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
散文詩