極彩色の靴買って家出
民次郎

嘘をついて 有り金掴み 
遠く会いたい人の街へ
他人の袖にすがろうって魂胆 
4日待って会えた

3日目 公衆電話は留守だと云ってる
死神の色がする 無臭世界
目前に魚類の見せ小屋 
世界一周のヨットが在った

可笑しいので吠えながら歩く(幸福に予兆は無い)

魚類の見せ小屋に入
イルカのショウは終わっていた
硬化発泡スチロールの胎道を通
すたすた ひょこひょこ

厚い窓から差し込む光
水槽を地下から見上げる趣向

丸い光たちは燃えるように重なって姿を捉えさせまいと遊んでる

イルカがみる
膣と麦飯粒を合わせた目だ 
関心と無関心のいい塩梅でみる

 


自由詩 極彩色の靴買って家出 Copyright 民次郎 2011-03-07 11:05:46
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