誰ひとり知らない
subaru★

私は隣の部屋の人も
向かいの部屋の人も
階下の部屋の人も
上階の部屋の人も
管理人さんも
看護士さんも
マネージャーさんも
詳しく知らない

そして私の事は誰も詳しく知らない

知っているのは顔と上の名前だけ
私も知ってるのは相手の顔と上の名前だけ

ガランとした部屋のベッドに寝転び
白天井を眺め ふと思った
知らないことは良くないことなのか?
いや 知らないことが幸せってこともあるんだと

過去の不幸せは捨てて
ココで一つや二つ幸せをもぎ取ろう

幸せを掴もうとしてる私の事を
家族の誰ひとり知らない



自由詩 誰ひとり知らない Copyright subaru★ 2011-03-06 12:15:37
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