Journey
洋輔



歩き続けてきた
一歩一歩確かめながら
全身を針のように鋭ぎすまし
猫のようにしなやかに

求め続けてきた
一つ一つ胸に刻みつけ
時には優しそうな囁きが
力づけてくれたりした

どこへ辿り着くのか
何を手にするのか
今はまだ解からない

だけど引き返してしまうには
もう時を費やしすぎた
足を止められない

俺たちは夢を見ているわけじゃない
ただ誰よりも明日を信じていたい
だけなのさ


傷つけ続けてきた
一人一人忘れることはない
心を嵐のようにざわつかせ
受け止める余裕もなく

あきらめ続けてきた
一夜一夜言い聞かせながら
眠りはいつの日も安らかに
訪れたことはない

なぜに歩いているのか
いつ旅は終わるのか
今はまだ分からない

だけど引き返してしまうには
捨てたものが多すぎる
取り戻すことはない

俺たちは夢を見ているわけじゃない
いつでも胸を張って生きていたい
だけなのさ










自由詩 Journey Copyright 洋輔 2011-03-01 19:53:34
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