「太陽と言うプログラム」2009-03-03 12:03:31 (福岡ポエトリーの為、プロフより再...
プル式


陽射
大きな橡の緑
葉に反る光と陰
春になる
過去に捨てた春になる
輝く線路に支配される列車の様な
敷かれた道を進む美しい塊になる

窓には冬から帰った命が開いている
線路沿いには柔らかな風が吹く
誰もがこんな風に生きている

だけどもしかしたら

風がざわめく
開き始めた蕾は再び息を潜め陽射を求める
身を焦がす程に強い陽射を求める
ギラリと白い線路のその
二本の水の煌めきにも似た檻に囚われながら
安らかに眠り夢を見る

ここに居ない自分
夢じゃない自分
味方しか居ない自分
味方が居ない自分
今じゃない自分
過去に居た筈の

暖かな電車の窓に
うたた寝をしながら夢を見た
キラキラと輝く橡が流れ
優しい風が葉を揺らしている
カタンカタンと揺れる電車に
夢は優しく肩を撫でる
そこに居続ける小さな勇気
ありきたりと諦め
開いた扉に踏み出さなければならない
そうして後は
この足で歩かなければならない。


自由詩 「太陽と言うプログラム」2009-03-03 12:03:31 (福岡ポエトリーの為、プロフより再... Copyright プル式 2011-02-19 10:26:53
notebook Home