ブラックコーヒー否定論
木田隆次
粉雪を一匙 タールの海へ
雪は 己の向かう海の混沌に慄き
黒き水は 己に映る雪の清純に恥じ
互いが互いを避けようと 狭い箱の中を廻る
そして 目の前の丸鏡を見て気付く
雪は 己の中の黒に
水は 己の中の白に
己らは一体なのだと
黒と白
清と濁
天と地
両極を併せ持つ この愛の海を
私は今日も啜り飲む
自由詩
ブラックコーヒー否定論
Copyright
木田隆次
2011-02-13 20:52:57