ベビーズ ブレス
モリー

君まで続くこの道に
淡い霞が微睡んでいる
まだ春浅き日の早朝
清楚な花束を抱えて歩く

歩調に撓む細い茎
君に言ってしまわなければ
不安が纏わりつく前に

世界がそわそわと動き出しても
大気はまだ凍っていて
恐ろしいほど蒼いのだろう

―どうしようもない

胸元から不意に匂い立つ
信号が変わる
白みは徐々に溶けていく

制服の裾から脚が生え
ジェンダーフリー
望む手前の私は
いかにも少女らしい恋をしている

その清らかな心に
私は明日の夢を見る
この角を曲がったら
君が笑って待っている

万感を込めて溜息をつく
汚れを知らない幾つもの
小さな花弁が優しく揺れた


自由詩 ベビーズ ブレス Copyright モリー 2011-02-13 14:03:15
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