通り雨
洋輔



通り雨に濡れたふたり今同じ
痛み疲れ感じて寄り添い歩く
とめどなく流れる人波の中に
つながりを求めた君は乾いていた

“寂しいからずっと離れないでいてね”
うつむく君の肩がそっとふるえてた
無関心を装った街角では
煩雑さがそばで孤独を生むだろう

さぁその瞳をあけて
止まってしまったすべての時間を
流れにゆだねるんだ

愛するということを
忘れてしまった
君の涙を通り雨が
ぬぐってくれただろうか


降りしきる雨が嘘のように辺りは
白く輝き映し出したまぼろし
君の黒く美しき髪が
肌に張り付き引き戻されたリアル

さぁその顔を上げて
美しいもの汚されたもの
すべてに目をそらすな

はにかんだように微笑み
哀しみを隠した
君の心を通り雨が
ぬぐってくれただろうか


いまいましいほどの空を
見上げれば
雨上がりの虹が
見えるだろう


愛するということを
忘れてしまった
君の涙を通り雨が
ぬぐってくれただろうか

はにかんだように微笑み
哀しみを隠した
君の心を通り雨が
ぬぐってくれただろうか










自由詩 通り雨 Copyright 洋輔 2011-02-02 20:25:02
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