春はくる
朧月

ふきのとうが売られている
そこにある春は
私の居場所からは遠い春

外は寒くて
天気予報のゆきだるまに
驚かなくなって二月

桜の蕾が目につくものの
すくめた首のせいでよく見えない

桜並木が笑う頃は
まただれかがここを離れるね
冬より春の方がさみしいかもしれない
冬はみんなもぐっているから

きっとあたたかい場所にいるよねと
みえないことで心配しないですむ

春は訪れる私の前に
いつのまにかあらわれるから
疑うことが染み付いてしまったけど
約束が守られることを信じていよう



自由詩 春はくる Copyright 朧月 2011-01-30 22:17:05
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