推敲したら嘘が残る
かんな


悲しいような甘さ
だ液に含んだキャンディをひとつ
あなたにあげたい

人の吐く息の波に
飛ばされてここにいるから
空が見えない

ふるえたように電話をかけた
いつもあなたに
揮発する涙のように

持ち合わせてしまった
いとおしさを
擦れ合わせたアスファルトのうえ

虹のなな色はいつも滲んでいる
見失うものも
それに似過ぎていて

風に吹かれる日だけ
飛ばされないように
しっかりと過去にしがみつく

だからあの曲を聴くと
同時に口ずさんでしまう
あなたへの告白

今さら推敲したら
きっと
嘘が残る



自由詩 推敲したら嘘が残る Copyright かんな 2011-01-22 18:12:56
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