花ならば
たりぽん(大理 奔)

話し相手もいない
岩だらけの黄色い砂漠

高名な歴史学者も
優秀な地球学者も
天才的な物理学者も

知り得ない恋の秘密を
地下水に抱かれた砂礫層の中に
とじこめて

花が空ばかり見つめていたのは
誰かのための歌声

あの三日月と星を掲げる塔から流れでる
神へ捧げる歌をきこうとしたから

どうしても一緒にいたいなら
この身の全てを朝の雨にかえて
そそぐよりほかに
花には
思いつかなかったから



自由詩 花ならば Copyright たりぽん(大理 奔) 2004-10-30 23:22:09
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