切断
シホ.N
うねるうずまき
僕らのかたつむり管
しわくちゃになった紙くず
僕らの髪のなか
ちがうちがう
僕らの眼に血がうかび
死さえ語れば
治外法権なので僕らは
ちがうちがう!
と叫ぶのだ
しんどいな
わからないな
あ
おはよう
ビラビラがブルブル震える
僕らの声帯
ちがうちがう
血がうまれるのではない
血が地を這っては沈む
沈黙する
でもだから
しかし
声などないのだ
湧きつづけるのは
音のくさり
文字のくさり
単純なつくりのただのくさりだ
くさってしまえ
くさればくさり以外の
なにものかにはなるのじゃないか
あ
おはよ
幻
おはよう
夜だがおはよう
つづく湧きみづ
ちがうちがう
意図せずして
みづからそれらが湧くわけは
僕の思考をとどめるためだったか
迷路に入ってめぐりめぐる
着きたくないところに着き
見たくないものを見るまえに
究極の自己防衛
自爆装置が発火する
その導火線切断のために
湧くわけだった
ちがうちがう
ああおはよ