切断
シホ.N


うねるうずまき
僕らのかたつむり管
しわくちゃになった紙くず
僕らの髪のなか
ちがうちがう
僕らの眼に血がうかび
死さえ語れば
治外法権なので僕らは
ちがうちがう!
と叫ぶのだ

しんどいな
わからないな

おはよう
ビラビラがブルブル震える
僕らの声帯
ちがうちがう
血がうまれるのではない
血が地を這っては沈む
沈黙する

でもだから
しかし
声などないのだ
湧きつづけるのは
音のくさり
文字のくさり
単純なつくりのただのくさりだ
くさってしまえ
くさればくさり以外の
なにものかにはなるのじゃないか


おはよ

おはよう
夜だがおはよう
つづく湧きみづ
ちがうちがう

意図せずして
みづからそれらが湧くわけは
僕の思考をとどめるためだったか

迷路に入ってめぐりめぐる
着きたくないところに着き
見たくないものを見るまえに
究極の自己防衛
自爆装置が発火する
その導火線切断のために
湧くわけだった
ちがうちがう
ああおはよ


自由詩 切断 Copyright シホ.N 2011-01-20 00:04:05
notebook Home