愛とか、恋とか
Oz

寒いから
マフラーを巻いて
手袋を着けて
ホカロンを貼って
それで、
何しよう?

外は雪が降っているよ
散歩はきっと大変。
うん、
コーヒーでも飲もう。

世界中には
愛が溢れている
溢れすぎて
価値が薄くなっているように見える
簡単に
手に入れては
失える
君がいなくても
僕は生きていける

「私にとって、アナタの存在は
とても辛いものだったわ」

大学生の頃
バイト先で
ある女の子が
病気になっていなくなった
精神を病んだのだ
その女の子に今日出会った

僕はそこそこの大学に行き
そこそこの成績を取り
そこそこの人付き合いの能力に
そこそこの経済力
つまり、
不自由は無く
悩みと言う悩みも無かった

そして年月を経て
地元に戻った際に
たまたま出くわしたのだ

「やあ」
「こんにちは。
お互い意外とまだわかるものね。」

僕らは適当な世間話と
近況について話した
彼女はまだ独身だそうだ
しかし、
結婚以前に
恋人を作る気も無いそうだ

「私にはインコで十分。
斜に構えている訳ではないけれど、
私には人は重たすぎるの。」

僕はというと
君が家から出ていってしまって一人ぼっち。

「僕の事嫌いだったの?」
彼女はただ笑うだけ。
30分程で僕らは別れた

実家では姉家族が
楽しい団欒中
父さんも
母さんも
ニコニコ
ニコニコ。
とてもじゃないが
僕は居られない。

ねぇ、
僕は居られないんだ。
何処にも居られない。
この手の中には何も無い。
今僕にはインコも
「そこそこさ」も
そして、
仮初めさえも

別れ際彼女が
「さようなら」って。
その時僕は
元気だった頃の彼女はもういないんだって事に
初めて気付いたんだ

遅くなってゴメン。
明日君を迎えに行くよ。
確かに
僕は君がいなくても生きていける。
でも、
そこには中身がない。
生きている実感が無いんだ。
だから、僕は
今を受け入れようと思うんだ。
僕は君を
失いたくは無い。


自由詩 愛とか、恋とか Copyright Oz 2011-01-18 00:53:00
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