自分という場所の中で自分を見る
ベンジャミン

真っ白な自分を覚えていない

それはまったく当然で
内側を覗きこんで見れば
それは記憶や想いで彩られ
余白は新しく描かれる何かを
ただ静かに待っている


自分という場所の
ちょうど真ん中あたりに居られれば
わたしたちは安心できるのかもしれない
昨日を振り返ることも容易だろうし
明日をぼんやりと見ることもできる

けれど
自分という場所の中で
自分が今どこに居るのかなんて
わかっているようでわかっていない
頑張れば頑張るほど追い詰められていたり
気まぐれな一歩が素敵な幸福を呼んでくれたりする



ときどき不安になる
もしかしたらとんでもない端っこに
ぎりぎりで居るんじゃないかって

ぎりぎりで踏みとどまるために
もっとぎりぎりになっているんじゃないかって




自分という場所はとても曖昧なので
本当は自分ひとりでは支えられない
自分という場所はとても不安定なので
いつも真ん中でいることなんてできない

だからこそ大切なんだと思う

自分という場所の中で
自分自身をしっかりと見つめることが

だからわたしは
ときどき思い出すように空を見る
まるで自分を映す鏡みたいにして

わたしにわたしが見えることなんてないけれど

そうやって見上げた空が
きれいだなって思えたら

わたしはそこに自分を重ねていたいから
 


自由詩 自分という場所の中で自分を見る Copyright ベンジャミン 2011-01-15 02:21:08
notebook Home