冬の夢景色
まどろむ海月
? 雪はまだ
君の哀しみから湧き起こった
激しい風のような
無数の精霊のような
叫びの群れが
僕を擦り抜けていく
手を伸ばして そのひとつでも
掴もうとしたのに
ひとりのこされて 茫然と
ぼくは その行方を 思っていた
枯れ葉が舞う
黄昏の 街路に
? 天上落下
いったい どんな夢の 終わりでしたか
果てしもなく 青空の中を 私は転落していくのでした
そのまま起き上がると
真夜中の裏山に上り
初冬の森の中を過ぎ
山の尾根を歩きました
湿った大気の中で 森は
樹々の葉が ほとんど落ち
上るにつれ 街の灯は
遠くまで 銀河のよう
視界よりも低いかと思われる雲が 流れて
すると いきなり
目くるめく
私の中の 現と夢の 不分明な境で
天地の 逆転が 起こり
逆さになったわたしは この大地なる銀河から
雲の下の はるかな星空に ダイブしていく
自由な存在になったのでした
? 白い
ちり
ゆき
ふり
ゆき
ながれ
ゆき
しずみ
ゆき
ゆき
すぎる
のぼり ゆく
私の おもひ
あおく
あわく
透きとほり
天上に
舞ひ 落ちてゆく
しんしんと しんしんと
降りつもるといい
きみの夢景色に