夜の悪事
朧月

勇気の貯蔵庫は心の
一番奥にある
琥珀の飲み物のような深い香り
だれにもある良心もそこに眠る

欺きたくなるよな夜に
手の先から悪事をする
謝罪は果てまで遠いので
夢を先に食す

明日に旅立つ気持ちだけ
追い出して夜は続く

慈しむという文字は遥かな
祖母しかもってはいないだろう
この瞳が今しか映さないことに感謝する

永遠を期待しはしません
雪のよに今だけ
優しさを製造しながら
夜は続く



自由詩 夜の悪事 Copyright 朧月 2011-01-10 23:05:07
notebook Home