nonya


吹きすさぶ風に
みがかれて
凍てつく水に
すすがれて
透き通ってしまった
哀しみは真冬の
背骨に宿った

遠ざかる空に
みはなされて
優しすぎる光は
とどかなくて
行先すら忘れてしまった
哀しみは真冬の
背骨で滞った

それでも
氷点下の朝に
自分の熱を吐き出しながら
歩き出そうとする
あなたの背筋が
厚手のコートの下で



と鳴った




自由詩Copyright nonya 2011-01-08 10:41:20
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