風花の夜
朧月

居場所づくりの雪をかく
道路わきに寄せられた雪 黒くなってる
汚れてる
優しい小鳥は踏んでゆく
もう融けておしまいと

空に持ち帰るのは
だれの願いでもありません

タイヤの跡は
あのこの涙のように
すべってる 流れてる

わたしたちはいつも
うけるだけ 遠まわしになった
風花を
それでも 何度も上をむくのでしょう

ゆるやかな夜を
むかえてひとり
ないものに悲しみながら

写真入りのハガキを吐息とともに
数えています

空に持ち帰るのは
だれの願いでも ありません



自由詩 風花の夜 Copyright 朧月 2011-01-07 21:56:22
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