シロフォン・クーゲルバーン
鵜飼千代子

無線紙の上
這い伸びる
黒インクの静脈は
冬ざれの様相で
ひたひたと
忍び寄る

絡み付く
荊棘けいきょくの枝を
程良く剪定し
暖炉に放るのだが
パチパチと
節は爆ぜ
火の粉は
舞い踊るばかり

立ち入るな
クリップ

壁は在る



2001.11.27
初出 海嶺10号
詩集 ブルーウォーター 所収
http://homepage.mac.com/tmoegi/memberniftynejpBLUEWATER/BW/BW/1info/pp/kairei10/kugelbahn.html


自由詩 シロフォン・クーゲルバーン Copyright 鵜飼千代子 2011-01-06 23:01:42
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