冬の夜の即興
橘あまね
夜にさまようノマド
夢に似た旅路
くらやみの中へ
伸びていく根毛
黒髪の思い出は
満月の丸み
汲み上げられて
つきあげるよろこび
歌うことばすべてに
ひとしく炎、やどれ
こごえる空にむけて
かざすこの指先
まじわる縦と横に
かぎりない畏れと戯れを
紡いでいけよ
ひろがっていけよ
神様を真似て
のどを鳴らすけだもの
終わらない祈りで
ぬりつぶされる世界を
ひきさいて進め
自由詩
冬の夜の即興
Copyright
橘あまね
2011-01-06 21:08:58