新しい年に
さき

凍てつく空に願いを返そう
祈るばかりの人は無力で
時に木枯らしに踊らされる
木の葉より軽い
その存在の軽さは
ただ空しい


悲しい歌ばかり歌っていたら
楽しい気持ちを忘れたよ
最悪のための安全保障
幸せなことが後ろめたい
何のために生きているの
傷つくなんていつものことなのに
臆病者
そうして今年もまた
同じように終わっていく


本当は
世界が終わっているからって
私の人生まで終わる必要もない
だけど
この世界がなければ
私の人生も始まらない
幸せと不幸せの均衡
世の中は矛盾だらけだ


今が満たされていないなら尚更
きっかけはいつだって
単純であっけない
そんなのわかりきっている
そのピースが見つからないから
私は今日もこうして
たった一人の心で
世界が更ける音を聞いている


耳の底で鳴る低重音
頭の上で鳴る最高音
生きることはいつだって素晴らしい
どんな糞ったれな夜だって
命一つで救われる
だからまた
忘れないように
胸に刻んでおくんだ


ああ
新しい年が始まるね
楽しければいいね
君が幸せだったらいいね
傷つくことを恐れない心を
今度こそ手に入れられたらいいね


もっと優しい人になれるように
もっともっと君を愛せるように









自由詩 新しい年に Copyright さき 2010-12-31 02:30:26
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