朝の合図 
服部 剛

毎日僕を職場まで 
車で送ってくれる君は 
無邪気な少女になって 
窓越しに、手をふる。 

門の前で振り返り 
いつもは緩んだ顔を 
きりっと締めて 
こめかみにあてた掌を 
真直ぐにして、合図する。 

仕事中ふっと気が抜けそうな時 
僕は左手薬指のひかりを見つめる 

毎朝の君への合図を、思い出す。 








自由詩 朝の合図  Copyright 服部 剛 2010-12-29 00:21:16
notebook Home 戻る  過去 未来