寅午
街にイルミネーションが輝きだす冬の夜
羽虫のむれがあつまるように
はなやぐ街の通りに
人々がつどい
きらびやかな建物のなかにはいってゆく
わたしは場末の
赤提灯のともる、家の軒下にきえる
「いらっしゃい。
おかみの声にすこし胸をときめかし
酒とタバコと人いきれ、
料理のかもし出すにおいにどっぷりとつかり
日々の鬱憤を酒にながし
酒の河に身を浴するように飲み交わす
やがて正体もなくなるほどに
自由詩
Copyright
寅午
2010-12-26 16:42:15