人の、死について思う
プル式




多分、初めて思う
病院で、見た景色
残された、老人の

心の景色

隣り合う、夫婦
齢を重ねた、二人
刺身とケーキと、記憶
そこにあった、幸せ

消失

心が壊れるのではないかと思った
胸を掻き毟って、掻き毟って
それでもどうにもならず
只々、口から溢れるわめきと
涙にもならない何か
皮膚を裏返してこそぎ
散々になって尚留める事が出来ない
何をすれば、良い、どうすれば、良い、どうしたら、良い、会え、ない、会え、る、会えな、い、分から、ない、何、故、なに、どう、いう事、なん、で、

僕はそれを受け入れられるだろうか
その先にあるだろう孤独感を
波の様に続く消失感を

人の死について、思う
いつか来る日の事を、思う。


自由詩 人の、死について思う Copyright プル式 2010-12-26 01:11:50
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