ララバイ
いすず

どうしてもあなたの顔が甦る
ちいさなくせや、ほのかな香りや
まっさらな白のシャツなんかが

わたしのまわりをとりまく世界に
今はもう、ないものだとしても

いい香りのカモミールティーや
ラベンダーの匂いが好きなわたしを
あなたは知らない

どんなに時を越えても、
もう届かない声がある と今は知ってる

さざなみのようにゆれるひとみに
かえしてはよせる 思い出の波
いつかのほとりで 小舟をうかべたら
待ち人は、来ないよといわれたの

それでもララバイ 夢を見て、あなたにすがる
見果てぬ夢の あなたのやさしさに

あしたへララバイ 遠き道のその先には
なつかしい声が待っている気がする

街のイルミネーションに、かつて住んだ街のあかりを重ねながら・・・



自由詩 ララバイ Copyright いすず 2010-12-21 09:40:13
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