それを言い訳に
あおば


          101220

お金と引き替えに
ようがすと
鷹揚になんでも引き受ける気で居たが
昔話の男のようには太っ腹でなく
今朝も寝過ごした
アーァと口から漏れるターザンの口まねのような朝のつぶやきが
燎原の火のように拡がったツィターを考えたきっかけと知る
燃え拡がったサバンナのその向こうに鬱蒼と茂る
ジャングルの奥深く 猛獣たちと仲良く暮らす
密林の王者ターザン
今日も
彼の雄叫びが木霊して
朝を浄め
昼を高め
夜を深くする
遥か昔の物語よと
象の群れは地平を均し
陽炎が燃え
コヨーテのような仔犬たちが互いにじゃれ合って
運動不足を知らないようだ
その先では
ハイエナとイボイノシシが闘っているいつもの光景
生きものたちが笑い通り過ぎる今
群れを統率するのは言い訳ではない

いつの頃か使われていた機器の残骸
棚卸しの度に廃棄するが
まだ使えるのにと言うのは厳禁

二昔の前の物語りたちが
無邪気にじゃれ合って
疲れを知らないかのようだ
そこでは
遅刻する度に
タイムレコーダーが寂しく笑い
社内に友達のいない男は
代わりにカードを差し込んでと
最寄り駅から電話するわけにもいかなくて
今朝も5分遅れでつまらなそうな顔をして
課長に叱られた
ラジオ体操のリズムで跳びはねてから
資材置き場の奥深く
こっそりと
居眠りをするのだ









「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作。
タイトルは、星子アヤノさん。



自由詩 それを言い訳に Copyright あおば 2010-12-21 00:06:18
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