どこかに吹くあらし
吉岡ペペロ

遠まわしな世界

どこかに吹くあらし

せせらぎのよう

日本語から逃れられないよう

ぼくら国産の愛、おれたちのアムール

ちいさなベッド

ふたりであふれそう

そんな河床に

青くて白い虹色のにじみ

月のひかりふりそそぐ

あたためあうふりをして

ぼくら互いの急所、おれたちは噛みつく

ずぶ濡れの粘膜にすべるペニス

日本語から逃れられないよう

ぼくら国産の愛、おれたちのアムール

ほかの究極さがしてる

いろんなありきたり試してる

地球のうえの出来事は

どこかに吹くあらし

重力から逃れられないふりをして

ちいさなベッド

あふれだしそうなふたり

体温のかけぶとんまきあって

ぼくら国産の愛、おれたちのアムール








自由詩 どこかに吹くあらし Copyright 吉岡ペペロ 2010-12-20 22:38:37
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