教室というところ
たもつ

 
 
すべての子どもたちが夢や
夢とは違うものを見ている頃
誰もいない教室では
白墨が生徒の名前を
一人一人板書している

名前の下に記されているのは
その生徒にあった今日の出来事
何もない日などない
平凡な一日という
言い訳があるくらいで

白墨がすべてを書き終えると
黒板消しがそれを消していく
翌朝ばれないように
日直の残した模様を正確に真似て

ただ白墨だけが心もち
短くなっているけれど
教室とはそういうところ
たぶん、そんなところ



自由詩 教室というところ Copyright たもつ 2010-12-20 21:52:24
notebook Home 戻る  過去 未来