夏の宝物
草野春心



  木々のそよぎ、
  風が通り抜け、
  夢の気配、
  朝露、
  日は差し、
  蝉の声、
  水が匂い、
  きみと歌をうたった。



  なくさないよう、
  こぼれないよう、
  この記憶が、
  ほどけないよう、
  夏の鞄を、
  きつく抱いた。



  くだらない夏の、
  くだらない宝もの、
  きみへの、
  物語、
  愛、
  あふれるかぎり、
  きみと歌をうたった。




自由詩 夏の宝物 Copyright 草野春心 2010-12-17 11:16:44
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