暗いちから(八)
信天翁
丘のひだに喰い込んだ
かぼそいアベニューをほどこうと
腰骨と膝小僧に云い含めたとき
野末はすでに 綻びていた
黒い「しみ」さえ見せて
そして
かたわらの雑木林では
薄気味悪く 土鳩が唸っていた
古井戸の手動ポンプの音そっくりに
あゝ かすかに迫ってくるではないか
透き通った四次元のはばたきが
あの枯れ草を焼く臭いと混ざって
自由詩
暗いちから(八)
Copyright
信天翁
2010-12-17 09:32:59
縦