前世は 悪魔の音楽家
北大路京介


三千世界の一世界

ぼくと君との前世は

こっちの世界でいうとこの

天使と悪魔の二極化で 天使と悪魔に別れてた

神と魔王を頂点に ふたつの階級ピラミッド  



ぼくは悪魔の歌うたい

君は可愛い小さな天使

ぼくは魔王を褒め称え

君は神に仕えてた

それぞれが べつべつの 三角形の中に居た


ぼくは悪魔のはぐれもの

素性を隠して天使を真似て

神と魔王の両極の間のあたりをうろちょろと

天使も悪魔も格差ない平和を願った歌唄う


 天使と悪魔は同じもの

 神も魔王も我々も みんな同じで違いはない と

 大きな声で歌ったら きみの耳にも届いたね

 ぼくの声が届いたね


 
神も魔王も激怒して ぼくは遠くへ飛ばされた

神からも遠く 魔王からも遠く いちばん遠く ぼくはある意味頂点へ


ぼくの歌を聴いたもの ぼくの歌を知ったもの

全ては神への反逆と 神は天から落としていった

光を運ぶ 君もまた 神から見れば小悪魔同然


堕天使で ひとりだけ 君は ぼくに会いにきた

引かれ合うのが分かった

ぼくと君は もっと前 前世の前世も きっと一緒で


   光を ぼくに

   音は 君に


 天使のルール 悪魔のルール

 神に都合の良いことと 魔王に都合の良いことと


 天でもない地でもない ぼくは好きだ 君が好きだ

 善でもない悪でもない 君が好きだ  ぼくは好きだ  

 ぼくらは闇で光で 陰で陽で

 ふたりで ひとつ 君と ぼくは ひとつ




前世も 前世のその前も ぼくは君が大好きで

君のことを想い 君のために唄い

きっと来世も その次も

君のことを想う 君のために唄う



 天使で小悪魔で 明るくて意地悪で

 そんな君を ぼくは探すから

 君は耳をすませてて 言葉のない世界でも 音楽で酔わすから

 音のない世界なら 君は ぼくを照らして 眩しいのが君だから それでわかるから



音のない世界でも 光のない世界でも ぼくと君は絶対に出会うはずなんだ
 
ぼくと君は お互いに 引かれ合っているんだから




自由詩 前世は 悪魔の音楽家 Copyright 北大路京介 2010-12-16 13:43:12
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